子どものグリーフケアとは
グリーフとは、日本語では「悲嘆」といわれ、広辞苑では「かなしみなげくこと」と記載されています。この気持ちは、喪失体験に伴って生じるといわれています。喪失体験とは、「死」や「別れ」だけではなく、日常生活における様々な大切なひと、大切なもの、大切なことを失うこと示します。
例えば、子どもたちの場合、お気に入りのおもちゃをなくしたり、引っ越しや転校で友人と離れたり、またご家族の病気などで、今までの習い事が継続できない、治療のため家族と共に過ごす時間が短くなるなどの日常生活の変化なども当てはまるでしょう。
それでは、子どもはいつ頃から、グリーフの感情を持つのでしょうか?「子どもが愛する事のできる年齢に達していたら、その子は悲しむことができる」(アラン・ウオフェルト,1983)といわれています。この事からも、子どもたちは小さい時から発達段階に応じて、様々なグリーフの感情を抱き、様々な反応を表しています。子どもたちは、そのグリーフの思いに対し、自らコーピングしていくことが難しく、大人の様子をみて参考にしながら、徐々に学んでいきます。
子どもたちが、「グリーフの思いを表に出し、自らその思いを整理し向き合えるようサポートしていくこと」が、グリーフケアとして重要な点だと考えています。