研修会レポート

「子どものためのグリーフケア」研修会の活動報告です。

レポート子どものためのグリーフケアセミナー(実践編)

令和2年02月16日

北里大学看護学部では、がん患者を親に持つ子どものためのグリーフケアセミナーを医療従事者を対象に開催しております。
本年度は2019年7月7日(基礎編1回目)、10月27日(基礎編2回目)に続き、2020年2月16日に当セミナーの総仕上げとして実践編が開催されました。

今回は、幼児期・学童期・思春期・青年期後期の各成長段階において、親を亡くした子どもの喪失体験を理解するという講座からスタートしました。

その後、死別体験からの学びとして、講演者ご自身の実体験をもとに、亡くなった方の家族の背景や成長段階において職業観がどう変遷していったか、医療従事者とのかかわり等様々な視点からのアプローチがあり、今後どのようにご家族と接していけばよいのかを学びました。
また、2つの事例研究や死別前体験を動画や音声で紹介するサイトの紹介や国が行っているがん教育の状況の解説があり、知識を深めることができました。

ディスカッションの様子

次に、子どものためのグリーフケアにおいて支援者に求められることの講座では客観的な視点をもち、ご家族のメッセージをキャッチし、当事者が自分で問題解決が出来るように医療従事者がご家族を支援するという立場で取り組むことの重要性を学びました。

最後に肺がんが脳に転移し亡くなった家族の事例紹介があり、このケースに対する医療従事者がどのようにご家族を支えていくのかについてのグループワークを行いました。
ジェノグラム(家系図)を作成した上で、看護師が患者・配偶者・子ども・親の関係性や課題を把握した上で、ひとり一人のアセスメントを行い、どのように家族に対するアプローチを行うのかを学びました

今回は締めくくりの実践編ということもあり、具体的事例に基づき様々な学びを行いましたが、がん患者を含めた家族の環境は全て異なり、アプローチ方法もこれが正解というものはなく、ケースケースに対する最善の方法を医療従事者がチームで検討して実践することに尽きるということになります。
参加者は、この講座で学んだことを明日から医療現場で応用しながら実践するという強い思いを持たれて、この講座は締めくくられました。

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